VOL.13

ご自身の体験から、自然の大切さを感じ、
自然食の普及を目指して事業を展開。

株式会社アイ・ツー・マネジメント 代表取締役社長 岡野 智加さん
多忙な仕事で身体や心が疲れてしまった時、沖縄の海の大自然に癒されたことがきっかけで、自然食にこだわり、自然食の普及を目指して協会を立ち上げ、自然食レストランをオープンさせた岡野智加さん。今回は神田にある自然食レストラン 「NaTuLa~ナチュラ」を訪問しました。

[ 企業プロフィール ]
  ・会社名:株式会社アイ・ツー・マネジメント
  ・店舗名:自然食レストラン 「NaTuLa~ナチュラ」
  ・設立年月日:1998年  レストランオープン:2011年12月
  ・URL:http://www.natula.jp/index.html
  ・事業内容:自然食レストラン、Microsoft Project教育事業 

自然食にこだわったレストラン「NaTuLa~ナチュラ」を運営しています。

事業としては主に4つの事業があります。まずは98年に立ち上げた「Microsoft Projectの教育事業」、そして2011年1月に「Live on Earth協会」を立ち上げました。その後2011年12月にはこの「自然食レストラン NaTuLa~ナチュラ」をオープンさせました。そして今年中には「自然食の通販」を始めたいと思っています。

この自然食レストラン「NaTuLa~ナチュラ」は、農薬はもちろんのこと、肥料も使わない生きた土で育てる「自然栽培」の野菜や米などを使用しています。また肉類は抗生剤を使わず、遺伝子組み換えの餌を不投与の、自然な環境で育成された鶏や豚です。調理においては素材の良さを味わっていただくような、素材を重視した調理法でお料理をお出ししています。化学調味料やエキス類・添加物は一切使わず、アルコール類もオーガニックワインや無添加のお酒をご用意した自然の恵みにこだわったレストランです。

  

心も身体も疲れ切った時、沖縄のキレイな海に癒されました。

もともと独立志向はあって、自分で何かやりたいと思っていましたが、大学卒業後は普通に就職しました。でも1年半くらいで辞めて、その頃ちょうどITバブルだったこともあってIT企業のナレーションの仕事や大手IT企業の講師の仕事をするようになりました。その時にこれからはITの時代だなと強く感じ、IT業界で何かできないかと考えていました。そして知人からこれからMicrosoft Projectの普及をしていきたいが、それを教育する会社がないと聞いたので、それなら新規性もあるし私がやろうと思い、Microsoft Projectの教育をする会社を立ち上げました。

会社を立ち上げてからはとても順調でした。Microsoft Projectの教育事業を行っているのは当社だけでしたし、Microsoft側からも顧客を紹介されたり、公開セミナーをやらせてもらったりして、営業をしなくても仕事は山のようにありました。もう毎日が忙しくて忙しくて、睡眠時間を削りながら仕事をする生活が続きました。そんな生活を何年もするとさすがに体調がおかしくなって、精神的にも疲れてしまい軽いうつ病になりました。

仕事をするのも嫌になってきたので、一旦仕事を整理して、最低限自分ひとりでできる範囲まで事業を縮小しました。そして長年やりたいと思っていたダイビングをやろうと思い、東京の住まいを引き払って沖縄に行きました。そこで毎日のように海に潜っていたら、沖縄のキレイな海にものすごく癒されました。どん底だった気持ちが徐々に回復していって元気になっていきました。後から知ったのですが、海には浄化力があるようです。特に沖縄のようなキレイな海は浄化力が高いのだそうです。何をやっても気持ちの落ち込みから立ち上がれなかったのに、ただ海に潜っているだけでこんなに元気になれるなんて、自然ってやっぱりすごいな、素晴らしいなと思い、自然と寄り添うような生き方がしたいと思いました。

心や身体が健康であるためには、自然のものを食べることが大切という思いからあらたな事業を展開。

気持ちも身体も元気になったので再び東京に戻り、今までの事業を続けながらも、一生を捧げる事業がしたいと思いました。そして自分が心の健康を壊した経験から、人が健康であるためには食べるものが大切で、ちゃんと自然のものを食べていれば自然治癒力も高まり、心も身体も健康でいられる、という思いに行きつきました。

そこでいろいろあたっていた時に、ナチュラルハーモニーの自然栽培の野菜(=有機栽培とは異なり、無農薬で肥料も与えない生きた土で栽培する方法)に出会いました。自然栽培の野菜を食べ続けていると身体や本能がこれじゃないと嫌だという感覚を持つようになりました。知識や頭で健康にいいからと考えて食べるのではなく、身体や本能が欲するものをちゃんと感じとって食べることが本来の食であると感じました。そういうことを現代人は忘れているのでそれを伝えたいと思い、2つ目の事業のLive on Earth協会を立ち上げました。Live on Earth協会ではセミナーなどを行っていますが、やはり実際食べてもらうことが重要なので、その一環として自然食レストラン「NaTuLa~ナチュラ」をオープンさせました。

  

今はこの自然食レストランを中心に活動していますが、もともと飲食業に詳しいわけではなかったで、最初は本当に大変でした。特に人の教育はとても難しいと思います。飲食業の経験者でも自然食に興味がないと料理や接客においてその思いが伝わりません。また自然食に興味があっても飲食業の経験がないと接客がうまくできなかったりします。ミーティングをきちんと行いながら、自然食に対する思いをひとつにしていけたらと思います。

良かったことは、やはりお客様から美味しいと言っていただくことです。自然栽培の野菜は食べたことがない人も多いのですが、野菜嫌いでほとんど野菜を食べたことがなかった人が、うちの野菜を食べて、「生まれて初めて野菜が美味しいと思いました」と言ってくれた時はとてもうれしかったですね。自然栽培のものは本能に訴えるものがあるのだと思います。そういう風に感じてくださる方が少しずつでも増えていったらいいですね。

自然食を欲する人の割合が、経済が動くといわれる人口の7%にすることが目標です。

今後のLive on Earth協会としての目標ですが、自然の素材を日々の生活の中に取り入れる人の割合を7%にすることを目指しています。人口の7%というのは経済が動く数だと言われています。日本人の7%が自然栽培の野菜を求めれば企業がビジネスとして成り立つのです。ヨーロッパでは自然食に対する意識が高いので既に15~16%位いるといわれています。それ位いると、オーガニックや無添加といった商品がスーパーに普通に並び、消費者がどちらの商品にするか選べるのです。少なくともそういった「選べる社会」にしていきたいと思います。

私にとって会社をやるということは社会貢献だと思っています。自然食を広く知ってもらうこともそうですし、人を雇用することも社会貢献だと思っています。今は社長として人を教育していますが、自分もかつては仕事をしていく中で会社や先輩たちに育ててもらったと思っています。これからは自分が若い人達を社会の役に立つ人間に育てていくこと、その人の人生がより良いものになるよう育てていくことが私の役割だと思っています。

あとに続く後輩に応援メッセ―ジをお願いします。

大切なのは「信念」です。こういった自然食レストランをしていると原価率も高くビジネスとして厳しいので、いろいろな人がこだわりすぎだとか、もう少し妥協したらどうかといったアドバイスをくれます。でも私は別に飲食をやりたいわけでもお金儲けをしたいわけでもありません。自然食をもっと知ってもらい普及することを目的としてやっているので、このこだわりを止めてしまったら続ける意味がありませんし、この信念は曲げないつもりです。ですからこれから起業する人には、自分がなんのために起業するのか、なぜ起業するのか、その「信念」をしっかり持って欲しいと思います。

インタビューを終えて

1つめの事業で成功を収めながらも身体や心の不調を経験し、それを乗り越えて新たなビジネスを立ち上げた岡野さん。インタビューの後、私も岡野さんのレストランで食事をしてきました。野菜を中心に素材の美味しさを引き出すようなお料理、とっても美味しかったです。お店のフロアにはプロジェクター等も完備されていて時間貸しレンタルもされています。セミナーやワークショップ開催などで場所探しをしている方はぜひご検討してみてはいかがでしょうか。(インタビュアー:滝)
http://www.natula.jp/farewell.pdf

 

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