VOL.34

 3足のわらじから、気軽にできるグリーフケアの実現へ

 ファンボイス 日高りえさん

 ・事業所名:ファンボイス
 ・創立年月:2014年 1月
 ・URL:https://angelqp.com/
 ・事業内容:相談業、メッセージ配信の提供、朗読セラピーの提供

起業のきっかけ

 高校卒業して、すぐに劇団に入り、役者業を仕事としていました。しかし、役者業一本では難しく、アルバイト・派遣の仕事を併行して役者業を続けてきました。ところが、35歳なり40歳が見えてきた時、40歳過ぎたら役者業は続けられないのでは、と思うようになり、役者以外の第2のやりたい仕事を探し、雑誌で知ったカウンセリング、コーチングの勉強を始めました。ただこの頃は、具体的に起業をいうよりは、将来に備えての勉強の意味が大きかったです。
 さらに40歳手前の時に、著名な先生の下でスピリチュアリストの勉強もしましたが、スピリチュアリストについては、自分自身でこれを本職やっていくのは難しいと思い早々に断念しました。しかし勉強した内容については、活かせることもあり、ピリチュアリストの知識+カウンセリング・コーチングのスキルを合わせて、現在のグリーフケアカウンセリングのきっかけになりました。私自身も20代の時に夫の亡くした経験から、遺族ケアの助けになりたいという思いもあり、ブログでの情報からスタートしました。

グリーフケアカウンセリングで起業!

 2010年からグリーフケアカウンセリングを事業として起業しました。しかし、いきなりカウンセリングは敷居が高く、数ヶ月1人程度しかお客様は来てくれませんでした。そこで、もっと気軽に受けてもらうためにメッセージ配信サービスを始めました。また自身のグリーフケアカウンセリングと併行して、派遣の仕事も続けていました。これは過去に見切り発車で起業に失敗した経験があり、当時のカウンセラーの師匠から「心の安定のために別の仕事もした方が良い」というアドバイスもあり、この時は役者、グリーフケアカウンセリング、派遣社員の3足のわらじを履いていました。
 グリーフケアを進めるにあたって、もう少し他にできることはないかと思っていた時に、仏壇用のローソクが作れたら心のケアになるなと思い、2018年からキャンドル教室に通い、現在の天国ローソクづくりに試行錯誤を始めました。
 2019年1月に、会社員の方は辞めて、起業と役者に専念することにしました。この時は固定収入がなくなるので不安は大きかったのですが、Googleの検索の基準が変わり、ホームページが自然を育っていたこともあって、2019年秋からアクセス数が増え、カウンセリングのお客様が増えました。

武蔵小山創業支援センターとの出会い

 武蔵小山創業支援センターの名前は、以前から知っていましたが、当時は特に行きたいと思うセミナーがなりませんでした。本格的な武蔵小山創業支援センターとの接点のきっかけは、アントレーヌデビュタントでした。ところが、気づいたのが遅くメールで問い合わせたところすでに満席でした。しかし、そこから自ら起業の情報を探すようになり、「女性のための起業スクールMU★SAKO」にたどり着きました。
申し込んだ当時は、これをしよう!と思ってきたのではなく、申し込んでから何にしようと考えていたレベルでした。幸い早く申し込みをしたので、2ヶ月ぐらい何をするか考える時間があり、その時に天国ローソクをやろうと思いました。
MU★SAKOの時は、派遣かつ役者も続けていたので、なかなか時間の確保ができなかったことが大変でしたが、1人ではできないことをやれたかなと思いました。例えば、ウーマンビジネスグランプリに必要となるビジネスプランシートを埋めるのは1人では出来なかったと思います。部分的に集客の知識は知っていましたが、事業計画書の基本を知らなかったので、トータルとしてのビジネスプランの組み立て方を知ることができました。

 

アントレーヌからトライアルマーケットへ

 その後は、テストマーケティングイベント「羽ばたけ!アントレーヌ」に出店しました。実際に天国ローソクを販売したのは初だったのですが、コロナの影響でオンラインになったこともあり、ほとんど売ることはできませんでした。
 次に「羽ばたけ!☆アントレーヌ」商店街バージョンに出店し初めて実際の販売を体験しましたが、売るということを理解できてなく、接客も苦手だったので、まわりに圧倒されていました。販売に苦戦していたところ、「ワークショップの価格を下げた方がいい」とアドバイスもらい実戦すると、本来のターゲットとは違うものの、子供たちに人気のワークショップになりました。
 トライアルマーケットは同年に再度チャレンジできるチャンスをもらい、2回目だったこともあり、展示方法やディスプレイなどをしっかりとすることで、お客様の目を引くようになりました。また売るためには、事前の広告宣伝をしっかりする必要があることを実感しました。さらに、ギフト仕様ローソクの手応えもつかみ、新たな道も開けました。

気軽にできるグリーフケアを目指して

 「気軽にできるグリーフケア」が私の最終系です。ハンドメイド感覚できるグリーフケアらしくないグリーフケアを目指し、やっとそれが形になってきました。現在、書籍出版を進めており、グリーフケアという言葉だけではなく、知識として知ってもらい、それを広めていきたいと思います。ただでさえ悲しい思いをしているのに、さらに傷つくことがなく、早く普通の生活に戻れる世界をつくっていきたいと思います。
 

インタビューを終えて

 一時は、役者、グリーフケアカウンセリング、派遣という3つの仕事を併行していた日高さん。今流行りの複業の先駆者と言えるでしょう。カウンセラーの師匠がおっしゃっていた「心の安定のために別の仕事もした方が良い」という言葉は的を得ており、どんなに素晴らしい企業理念を掲げて起業したとしても、収入面が安定しないと心の余裕がなくなり、いつの間にか営利優先になっていたというケースもあります。一般的に複業というと、サラリーマンが空いている時間でビジネスをするイメージが強いですが、起業家が空いている時間を利用して雇用で収入を得る考え方もこれからはセオリーになっていくでしょう。
 人によって
は「複業のような中途半端なスタイルはけしからん」という方もいらっしゃいますが、特にサービス業では、安定した収入があるから、心が安定し良いサービスが提供できるとも言えますので、起業初期は積極的に複業にもチャレンジしてみると良いでしょう。

(インタビュアー 西條)
 

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