VOL.35
看護師がヨガインストラクターで起業
縁樹～enjju～ 宮本よしかさん
・事業所名：縁樹～enjju～
・創立年月：2018年3月
・URL:https://enjju.com/
・事業内容：サービス業（ヨガ教室）
起業のきっかけ
都内総合病院とクリニックで勤務してきた看護師の頃、医療を受けても健康とはいえない人を多く見てきました。西洋医学だけでできることには限界があるのではないかと感じていました。そんなとき私自身に体調不良が次々と起こり、検査をしてもはっきりとした原因がわかりませんでした。当時子どもが小さかったので元気でいたいと思い、母がヨガで元気になったことを思い出し、ヨガ教室に通い始めました。老若男女、様々なお客様に伝えさせていただく中で、私の経験が人の役に立てることがわかってきました。私のように必要としている人にヨガを伝えたいと思ったのが起業のきっかけです。
武蔵小山創業支援センターとの出会い
看護師という専門職のキャリアを積んできましたが、ビジネスに関する知識はゼロでした。仕事をするということ自体はもともと好きでしたし、お客様から良い評価をいただいていたのでこれからもヨガを伝えていきたいと思っていました。活動をしていく中で交通費の捻出や、技術のブラッシュアップ、そしてよりよいサービスの提供継続のためには資金が必要だと感じました。武蔵小山創業支援センターについては、以前に聞いたことがありましたので、思い切って起業スクールMU★SAKOに申し込んだのが武蔵小山創業支援センターとの出会いです。起業スクールでは、起業をするために必要なことについて沢山のことをインプットしました。
当時、パソコン操作が得意ではなかったため、宿題や書類の作成などにとても苦労をしましたが、使っていくことで少しずつ慣れていきました。また、それまで業務委託やアルバイトという働き方以外に知らなかった私ですが、時給や月給などでお給料を貰うのとは異なり、集客から自分で行い稼ぐという起業の厳しさもそこで知ることになりました。
家事や育児もあり、通い続けるには大変な時間でしたが、今となれば頑張ってよかったと感じています。同期の方とは今も交流があり、刺激をしあえる良い仲間です。
トライアルマーケット・アントレーヌへの出店
起業スクールMU★SAKOが2017年12月に終了したときに、センターからの勧めもいただき、テストマーケティングのイベントである羽ばたけ！★アントレーヌ、そして商店街での出店イベント トライアルマーケットへのテスト出店を続けて行いました。
イベントでは仲間に手伝ってもらって沢山の方に指ヨガハンドヒーリングなどを体験いただき、アントレーヌでは最優秀賞をいただくことができました。センターから助成金の勧めを受け、申請するために開業届を出し、助成金でチラシやホームページを作ることができました。センターには背中を押していただき、起業スクールMU★SAKOから走り抜けた時間だったと思います。
コロナ禍も乗り越えて
すでにヨガを始めてから10年が経ちます。現在は指ヨガの養成講座の講師として、そしてヨガを伝える講師として健康法をお伝えするという事業を行っています。コロナ禍ではオンラインを試行錯誤しながら活用していましたが、今ではスタイルの一つとなりお客様にも定着しました。受講者がオンラインに慣れていなくても、丁寧にお客様とやり取りすることで現在ではお客様との関係も良好です。定期的、または出張で対面で伝えられることも大切にしています。健康法をお伝えしながらこれから新講座の開講も予定しています。
これからの展開
私のお客様は、医療に任せたままにせず、自分の健康は自分で守りたいという50代以上の女性が中心です。これからもそのような意識をもつ方が増えるような元気な社会づくりに役立ちたいと考えています。
インタビューを終えて
自分の健康を守ることを自分に定着をさせるために始めたヨガを伝えるという活動が、今では沢山の方の健康に寄与する事業になっています。それは、体の健康だけでなく、宮本さんとのコミュニケーションから生まれる心の健康としても価値があるものです。働き方を考えた時に起業の厳しさを実感しながらも、好きなことを自分とお客様のためにブラッシュアップしながら継続している宮本さんには頭がさがります。そんな真摯に事業に向き合う宮本さんだからこそ、多くのファンのお客様が通い続ける場所になっていることがわかりました。自分の専門性を活かしての起業は、誰かの役に立ちたいという想いを自分らしく表現することと言えます。ぜひ起業を目指される方は自己表現を追求してみてくださいね。
（インタビュアー 島田）
