VOL.27

 多くの人に応援されて事業を発展!

 株式会社へルシアス 千葉敬子さん

 ・事業所名:株式会社へルシアス
 ・創立年月日:2017年8月
 ・URL:http://healthiers.co.jp/
 ・事業内容:漢方、ハーブの製造販売

東洋医学の知恵を伝えるために

 大学にて東洋医学の勉強をしていました。東洋医学は自分の身体の状態を、自分自身で判定できることに特徴があります。西洋医学は、病院に検査に行き、採血などを行い、その数値見て判断しますが、東洋医学では、顔色や舌の色や形、尿や便など身体の外に出てくるものから体内の情報を知ることができます。特に女性の場合は月経血に健康状態が表れるので、普段の生活から整えておくことが大切です。だからこそ月経をネガティブにとらえずに、女性に月経血をチェックする習慣を持ってもらいたい、さらに東洋医学の知恵をみなさんにわかりやすく簡単に伝えていきたい、そんな理由から起業をしました。
 あともうひとつ、大学の授業料が結構高かったので、「なんとかそれを回収しなきゃ!」という理由も正直ありましたね(笑)。


 

物販から始まった起業

 起業の思いを伝えるにあたって、セミナー、ワークショップ、講習会などどのような方法があるのかと検討していった結果、「モノ」というツールもあった方が良いということで、物販に行きつきました。
 初めての物販は、品川区のテストマーケティングイベント「羽ばたけ!アントレーヌ」でした。実は出店が決まった時、売るべく商品がまだなく、慌てて売るための商品開発に着手し、いろいろな方々からご意見を聞きながら、なんとか商品を作り上げました。そんな綱渡り的な出店でしたが、来ていただいたお客様には、応援しようという意気込みのある方が多く、手応えと自信をつかむことができました。
 これがきっかけで、「応援してくれる方いるから頑張って、動けることはすべてやろう!」と、展示会やマルシェ出店などを積極的に実施していきました。その行動の中のご縁で、流通大手様とのお付き合いができるようになり、さらに実演販売などをはじめて、一般のお客様にも目にとまるように事業を拡大していくことができました。
ビジネスの立ち上げは、同じ大学のキャンパスで出会った木村といっしょに始めました。お互い好き勝手やっていますが、それぞれ尊重しあい、自分ができないないことを彼女に補ってもらっており、いないと困る存在です。彼女と二人三脚でやってこれたからこそ、ここまでできたと思います。


武蔵小山創業支援センターとの出会い

 起業時にビジネスが月経というセンシティブだったこともあり、ビジネスプランとしてどうなのかという不安もありました。ゆえに、起業についてしっかり勉強しようと考え、インターネットで調べていたところ、女性の起業に力をいれてる武蔵小山創業支援センターのホームページにたどり着き、その時にウーマンズビジネスグランプリの募集を見つけました。当時のビジネス拠点が神奈川県川崎市だったので、エントリーできるか聞いたところOKをもらいエントリーし、ファイナリストまで進出できました。
 さらにそれがきっかけで、タイミング良く空きが出た武蔵小山創業支援センター6階の品川区のインキュベーションオフィスに入居できました。それにより取引先への安心感や信頼感につながり、お取引様も拡大できたと思っています。またオフィス入居後にセンターの後押しもあって法人化も果たし、事業として確立していくことができました。
 インキュベーションオフィスの契約終了の期限が近づき「これから、どうする?」と考えていたところ、今度はタイミングよく1階のチャレンジショップの短期出店のチャンスがあり、引っ越すことができました。それまではネット販売中心だったので、路面店のテストマーケティングができたことが大きかったです。
 そしてチャレンジショップの入居期限の半年が近づいた頃、「こんな補助金の公募が始まっていますよ」とセンターのスタッフから案内されました。補助金の申請には事業計画書が必要になり、そのサポートもしていただき、無事採択されることができました。
 その補助金のおかげで、約4年半お世話になった武蔵小山創業支援センターを卒業して、店舗を開店することができました。ここまで至ることができたのも、センターのおかげと思っています。


店舗オープンから世界に向けて

 2020年9月10日に、店舗をオープンすることができました。本来はもっと早くオープンする予定でしたが、新型コロナ感染拡大の影響を受け内装工事が延びてしまい、工事と併行してネット販売と卸売りを続け、その間に医薬品販売業許可を取ることもできました。店舗オープン後は、医薬品販売業許可を活かして競合ハーブ店と差別化を、ハーブや食材も販売して気軽に立ち寄れる薬店として薬局との差別化をしていきたいと考えています。
 振り返ると、ここまで来るのに色々ありました。もちろん売上が上がらない時期もありましたが、周りの方から不要な事務用品をいただいたりと、お金がないならないなりになんとかなってきました。(笑)またセンターのスタッフや入居者からの情報も大きかったです。
 将来的には、店舗を定着させて、ハーブや健康の駆け込み寺として、お客様がホッとできる空間をつくっていきたいと思っています。
あと海外にも飛び出していきたいですね。これまでに、アジアやアメリカの展示会に出展してきましたが、特に欧米では、東洋医学の知識や良さが知られていない部分もあるので、自分の体のことは自分でメンテナンスできることを広めていきたいです


インタビューを終えて

 インタビューを振り返って、他者から応援されることの重要さを感じました。以前、競馬界のレジェンドである武豊騎手がテレビのインタビューで、「(武豊騎手は)良い馬に乗れるから勝てると言われけど、その状況をつくっているのも騎手なので(それも含めて実力)。」と答えていたことがありました。これをビジネスに置き換えるなら「他者から応援される状況をつくっているのも経営者なので、それも含めて経営力」と言えるでしょう。
 ビジネスはあくまで自己責任ゆえ、自分自身の能力を高めることは必須です。しかし、どんなに頑張っても1人でできることには限りがあり、特に起業当初はビジネス経験も少ないゆえ、他者の力を借りなければならない場面は出てきます。その時に、他者から応援される力が重要になってきます。千葉さんのインタビューでは、最良のビジネスパートナーを見つけた、品川区のオフィスやチャレンジショップに入居できた、起業家仲間から事務用品をいただいた、補助金・助成金を受けられた、といったことを、タイミングが良かったと話していましたが、それは偶然ではなく他者から応援があったからであり、それを引き寄せたのも千葉さんの持つ経営力のひとつと言えるでしょう。
 これから起業を目指す人には、自分の能力を高めることに加えて、他者から応援される力をどのようにつけていくかも考えていくと良いでしょう。

 

(インタビュアー 西條)
 

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