武蔵小山創業支援センターインキュベーションマネージャー志水玲子による
「ム・サ・コ」の3つのキーワードで考える起業プラン
~ その① 無店舗型ビジネス ~
1.はじめに
こんにちは。MUSAKO HOUSEインキュベーションマネージャーの志水です。
MUSAKO HOUSEをはじめとする公的機関で、創業計画書づくりの相談対応や創業者向けセミナー運営などの仕事をしています。
日頃、創業者の皆さんとお話していて感じるのは、『柔軟な発想と行動ができる人は事業がうまくいきやすい』ということです。第三者の意見を聞きながら「こんなアイディアはどうだろう?」「自分にもできるか試してみよう!」と考えられると、創業後にもし行き詰まった時でもあきらめずに打開策を見つけやすくなるのではないでしょうか。
私の全3回のコラムでは、MUSAKOにちなんで「ム・サ・コ」ではじまる3つのキーワードを一つずつご紹介します。ご自身の起業プランと3つのキーワードを掛け算して、発想を広げるきっかけにしていただけたらと思います。
MUSAKO HOUSEをはじめとする公的機関で、創業計画書づくりの相談対応や創業者向けセミナー運営などの仕事をしています。
日頃、創業者の皆さんとお話していて感じるのは、『柔軟な発想と行動ができる人は事業がうまくいきやすい』ということです。第三者の意見を聞きながら「こんなアイディアはどうだろう?」「自分にもできるか試してみよう!」と考えられると、創業後にもし行き詰まった時でもあきらめずに打開策を見つけやすくなるのではないでしょうか。
私の全3回のコラムでは、MUSAKOにちなんで「ム・サ・コ」ではじまる3つのキーワードを一つずつご紹介します。ご自身の起業プランと3つのキーワードを掛け算して、発想を広げるきっかけにしていただけたらと思います。
初回の「ム」ではじまるキーワードは、無店舗型ビジネスです。
1 | はじめに |
---|---|
2 | 無店舗型ビジネス |
3 | 無店舗型で起業するメリット |
4 | 無店舗型で気をつけたいポイント |
5 | まとめ |
2. 無店舗型ビジネス
無店舗型ビジネスとは、実店舗を持たない事業形態です。レンタルスペースやシェアスペースを利用した営業やECショップ、移動販売、出張販売などがあります。実店舗のない飲食店や雑貨店、リラクゼーションサロンなど、皆さんの周りでも増えてきていませんか?
・シェアキッチンを使った飲食店のデリバリーやテイクアウト、キッチンカー
・レンタルサロンでのリラクゼーション施術
・ECショップ販売や期間限定POPUP出店だけの雑貨店
背景として、インターネットやスマホ、SNSという実店舗がなくても販売できる手段が増えたこと、さらにコロナ禍で行動制限が長く続いたことで、お客様が実店舗に足を運ぶ機会が減ってしまったことも影響しているでしょう。
3.無店舗型で起業するメリット
① 開業費用を抑えられる
実店舗だと物件の取得費用、改装工事費、什器備品類の購入で数百万円から1千万円以上の開業資金が必要です。自己資金が少なく借入だけに頼った起業を考える方もいらっしゃいますが、希望通り融資を受けられるとは限りません。さらに毎月の家賃負担があるため、意気込んで都内の好立地に出店したのに売上が全然増えず、高額の家賃が響いて赤字続き…というご相談も実際にはあります。無店舗型であれば初期契約料や使用した月ごと・時間ごとに支払えばよいので、開業時の費用を安く抑えることができます。
② 自由度が高い
実店舗に比べると場所や時間の制約を受けにくいと言えます。時間貸しや月額のレンタルスペースであれば場所の変更もしやすく、起業まもない時期のテストマーケティングにも適しています。ECショップならば商圏を全国に広げることができます。また、食品製造であればキッチン改装工事から保健所の許可を受けるまで1ヶ月以上かかりますが、営業許可を備えたシェアキッチンやレンタルキッチンを有料契約すれば、実店舗に比べればはるかに短い準備期間で販売を開始することができます。
③ ひとりでも運営しやすい
場所や時間の制約を受けにくいので、週末の副業など短時間を利用した起業が可能になります。ECショップではWEB上で商品販売をすれば、24時間365日販売可能になり、店番をするスタッフがいなくとも効率よく運営することができます。4.無店舗型で気をつけたいポイント
① ライバルが非常に多い
事業を始めやすいので競争相手が非常に多くなっています。参入が多い一方淘汰も進んでおり、東京商工リサーチの調査によれば2022年の「無店舗小売業」の倒産は3年ぶりに増加で86件、資本金1千万円未満の小規模企業が84.8%を占めています。類似商品やサービスの選択肢が増えたため、ライバルに負けずに顧客を増やし続けるための労力(コスト)が必要になります。② 集客を強化しないと認知されない
商品実物が目の前になく、どんなに良い商品・サービスでも販売している事自体を知られていないことがあります。集客のための広告や宣伝ツールを強化し、自分の商品・サービスを広く伝えることを実店舗以上に意識する必要があります。有料広告やチラシだけでなく、Instagram、LINE、TwitterなどのSNSツールを積極的に使うこともおすすめです。文字や画像、動画を駆使しましょう。③ 店の個性が見えづらい
実店舗でもファンなってしまうお店は、商品サービスの良さだけに限らず、スタッフの接客サービスやこだわりの内装などの店の個性が好かれていることも多いのではないでしょうか。無店舗型では対面接客の機会も少ないので店の個性や店主の人柄が伝わりづらく、お客様の記憶に残りにくくなります。
チラシやSNSで思いやこだわりを伝えたり、購入後のアフターフォローを充実させたりなど、少しでも他店との違いが出せるように工夫していきましょう。
5.まとめ
無店舗型ビジネスは、低コストですばやく起業できるメリットがある反面、集客を強化して個性を伝えるサービスを工夫しないと数多くのライバルに埋もれてしまうというデメリットがあります。
・開業資金はいくら用意できるのか
・ライバルに比べて商品力、サービス力はあるのか
・集客にどれだけ労力やコストをかけられるのか
自分の状況と照らし合わせて、柔軟にしなやかな発想でご自身の起業プランを考えてみてくださいね。
前のコラム | 次のコラム
起業家にちょっと役立つMUSAKOアントレナビ トップへ戻る
インキュベーションマネージャーの紹介ページはこちら