武蔵小山創業支援センターインキュベーションマネージャー志水玲子による
「ム・サ・コ」の3つのキーワードで考える起業プラン
~ その② サブスク ~
1.はじめに
こんにちは。武蔵小山創業支援センター(通称MUSAKO HOUSE)のインキュベーションマネージャーの志水です。MUSAKO HOUSEをはじめとする公的機関で、創業計画書づくりの個別支援や創業者向けセミナー運営などの仕事をしています。
MUSAKO HOUSEにちなんで、「ム・サ・コ」ではじまる起業・経営キーワードを取り上げるコラム、第2回目は「サブスク」です。
MUSAKO HOUSEにちなんで、「ム・サ・コ」ではじまる起業・経営キーワードを取り上げるコラム、第2回目は「サブスク」です。
1 | はじめに |
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2 | サブスクとは |
3 | サブスクの活用をおすすめしたい理由 |
4 | 成功させるためのコツ |
5 | まとめ ~顧客のニーズとリアルタイムで向き合う |
2.サブスクとは
サブスクとは「サブスクリプション」の略で、一定の金額を支払うことで、一定期間の商品やサービスを利用できる「権利」が得られる仕組みです。「月々○千円で使い放題」など、皆さんのなかにも音楽や動画配信サービスで、お客様として利用している方も多いのではないでしょうか。利用者にとって便利なこの仕組みを、今回は起業家・事業主の目線で考えていきましょう。
3.サブスクの活用をおすすめしたい理由
① 利用者の増加
国内消費者向けのサブスク市場の規模は、2023年は前年比5.2%増の約9,430億円です。(矢野経済研究所 調査結果より)多くの業界分野で成長段階にあります。つまり、購入してくれる人が今後も増えていくということです。引用:株式会社矢野経済研究所 2023年12月調査結果より
身の回りを見ても、サブスク対象商品やサービスが多様になっています。デジタルコンテンツが当然ながら、近年では生活用品にも対象が広がっています。例えば、家具や家電、服飾品など、従来は「所有」が当たり前だったものが、消費者側の意識が変わって「共有」への抵抗感がない方も増えています。ご自身の商品やサービスもすぐ無理とあきらめず、サブスクにできないか検討してみる価値はあるでしょう。
② 収益の見通しが立てやすい
通常の販売では、1回かぎりの購入で終わるお客様も多く、リピート購入を促すための販促に手間やコストをかけて取り組む必要があります。サブスクであれば、解約されないかぎり追加の販促コストをかけずに一定期間は継続して売上が見込めるため、収益の見通しが立てやすくなります。③ 顧客との関係を維持しやすい
利用者へ継続的なサービス提供を行うため、顧客情報を取得して利用期間中は自社から情報発信をすることができます。売り切り型のビジネスでは、ポイントカードやアプリ、SNSアカウントフォローを促すことで一定数は取得することも可能ですが、購入者全員の情報を取得するのは困難です。サブスクでは、定期的な顧客フォローが可能となります。4.成功させるためのコツ
1つ目は、利用者を飽きさせないことです。サブスクのメリットを享受するには、一度契約したら長く利用してくれる(自動更新してくれる)サイクルをいかに作るかが大切です。短期ですぐ解約するお客様ばかりでは、新規集客のコストがかかり、売り切り型と変わらなくなります。マンネリを防ぎ、利用できる商品・サービスの満足度を高める努力や工夫が必要です。2つ目は、マーケティングへの活用です。利用されているコンテンツ、利用期間などを把握できるので、契約している顧客の情報を新商品・新サービス開発へのマーケティングデータとして積極的に活用しましょう。前述の商品・サービスへの満足度を上げることにも関連しますが、最初は満足していても同じ内容で変化がないと飽きが出て解約に繋がる商材もあります。多様な顧客をセグメントに分けて、求められる商品・サービスを提案し、プロモーションをしていきましょう。
これらの取り組みを通じて、解約率を下げて、長く契約していただける取り組みを続けていくことが重要です。
5.まとめ ~顧客のニーズとリアルタイムで向き合う
今回は販売する側の目線でサブスクについてご紹介しました。メリットもある一方、顧客のニーズを理解しなければ利用者は定着せず増えていきません。利用者の増減というかたちで、リアルタイムでお客様の反応が見える売り方でもあります。
お客様が魅力と感じてもらえるような商品・サービスを提案していくことは、どんな販売方法であっても共通した大切なポイントですので、意識していただければと思います。
ご自身の起業プランに取り入れられる手法かどうか、検討されてはいかがでしょうか。
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